モジュラーデザインにおける設計解説書について

2020/6/27

 設計解説書とは、モジュラーデザイン活動における主要な成果物の1つです。熟練者の知見や過去実績をもとに設計根拠をまとめたノウハウを文書化したもので企業としての知的資産となるものです。本コラムではモジュラーデザインにおける設計解説書の位置づけとその作成方法、世界的な変革期である今だからこそ取組む必要性を述べたいと思います。

モジュラーデザインでは、設計のモジュール化の取組みとして、設計フローチャート、設計手順書、モジュールテーブル、設計解説書を整備します。 各成果物の役割は以下:

  • ・設計フローチャート:ある設計検討範囲における設計の大枠の流れを示したもの
  • ・設計手順書:各設計フローチャートでInputは何で、設計数値はどう決め 、何をOutputするのか
      またその為に参照するノウハウ情報や数値表などとの関係性を示したもの
  • ・モジュールテーブル:設計パラメータを決める際に準拠すべきモジュール数を定義したもの
  • ・設計解説書:設計手順書のデザインルールが決められた理由(「Why」)をその背景とともに
     記述したもの。企業の技術資産であり、技術や製品機能の変化に応じて常に見直していく。

 

図1:設計のモジュール化の各成果物イメージ|エンジニアリングチェーンマネジメント/モジュラーデザイン研究会[ECM/MDI・PLM]

図1:設計のモジュール化の各成果物イメージ

 設計解説書では、以下5つの内容を記載することを推奨します。

  • ・設計内容の概略:設計解説書で書かれていることの概要を上段に
  • ・視覚的な設計内容:図面・指示図・ポンチ絵などを貼り付け
  • ・設計の背景・理由:なぜその設計標準としたのか、また標準外の問題点等
  • ・標準外の対応:標準が守れない場合の対応方法
  • ・過去不具合と対策:類似製品の過去不具合と対応策

図2:設計解説書記載例|エンジニアリングチェーンマネジメント/モジュラーデザイン研究会[ECM/MDI・PLM]

図2:設計解説書記載例

現在、新型コロナウィルスをきっかけに、企業ではテレワークを代表例とした新しい働き方が加速すると言われています。分からないことがあったら隣の誰か熟練者に聞けばいい、というわけにもいかなくなります。そのような将来に向けて、企業としてものづくりのノウハウの塊である設計解説書を、モジュラーデザイン活動を通してしっかり整備することの必要性がより高まっているのではないでしょうか。

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