ボールペンの設計部品構成
2020/5/28
設計部品構成はすべての部品情報を管理する中核的な仕掛けであり、ECM/MDの中でも特に重要な考え方の一つです。昨今、多くの企業でPDMやPLM刷新プロジェクトを取り組まれていますが、PLMのデータ構造を決定する際にもこの設計部品構成を活用されます。そこで本コラムでは、第7回定期講演会で当研究会の講演の一部として発表いたしました「ECM/MDの簡易版」の中で、題材として取り上げたボールペンの設計部品構成について作成手順や注意点をご紹介します。
19年12月のコラム「製品モデルの作り方」では、ボールペンを題材とした製品モデルの事例をご紹介しました。製品モデルは顧客要求仕様~製品/ユニット/部品までの仕様の関係性を整理します。その中で部品の構成を「設計部品構成」で管理します。製品モデル内の設計部品構成の位置づけを図1で示します。
設計部品構成とは、一つの機能製品についてその方式、機構、構造の違いを超えて製品を構成するすべての部品を末端の部品まで機能的に展開した部品構成です。図2はボールペンの設計部品構成の例を示しています。設計部品構成を作成するにあたっては、機能ブロック図などを参照しながら、製品を構成する方式違いを含めたすべての部品を機能的に下方展開します。設計部品の作成手順と注意点は以下の通りです。
- 1 部品構成欄に、製品を0次として製品を構成するすべての部品を機能的に下方展開します。
作成するにあたっての注意点は、製品の基本機能の部品を上の方に置き、補助的な機能を
下に置くようにします。また図2はメカ部品の構成例ですが、部品構成はメカ部品系と
エレキ部品系に分類します。 - 2 すべての部品を下方展開したら、機能定義欄にそれぞれの部品の機能を
「~を~する」といった「主語~述語」形式で定義します。 - 3 設計部品コード欄に奇数番号で付番します。
またエレキ部品のコードは51番から付番します。 - 4 設計標準欄に設計部品構成が管理する設計情報(設計標準と個別製品の設計文書)を
記述します。すべての設計情報に採番ルールに従った文書番号を記入することで
あらゆる設計情報は設計部品番号で検索が可能となります。
設計部品構成は情報を管理する中核的な仕掛けであり、ECM/MDの中でも特に重要な考え方の一つです。詳しくは、以下の書籍(MD教本)にて詳しく解説しておりますので、是非ご確認ください。
< 設計部品構成の詳細解説掲載ページ >
- 実践 モジュラーデザイン 改訂版(通称:青本)P67~P69
- 実践 エンジニアリング・チェーン・マネジメント(通称:ECM本)P62~P65
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