サステナビリティに貢献するモジュラーデザイン(1/2)

2026/2/28

― 製造業が持続可能性と効率性を両立するために ―

製造業における社会課題の変遷
製造業は長い歴史の中で、社会の変化とともに求められる役割が大きく変わってきました。かつては大量生産による供給力こそが最重要課題でしたが、いま企業が直面する課題はより多様で複雑です。社会課題の変遷を振り返ると、製造業が果たすべき責任の変化が浮かび上がります。
高度成長期は、大量生産と品質安定が最優先
~2000年代は、グローバル競争と差別化の時代へ
~2010年代は、環境負荷・資源制約・デジタル化への対応へ
2020年代以降は、サステナビリティとレジリエンスが重要テーマへ


図1:日本の製造業における社会課題の変遷|エンジニアリングチェーンマネジメント/モジュラーデザイン研究会[ECM/MDI・PLM]

図1:日本の製造業における社会課題の変遷



今日の企業に求められるのは、単に外部環境の変化に対応するだけでなく、変化を先取りし、持続可能な社会づくりの担い手となる姿勢です。


サステナビリティへの対応としてのサーキュラーエコノミー

 サステナビリティとは、環境・社会・経済の三側面を調和させながら、未来世代の資源や生活を損なわずに発展することを目指す概念であり、その具体的目標を定めるのがSDGsです。一方、サステナビリティの概念を与する形で企業としての手段・価値を定義するものとしてESG経営があります。ESG経営とは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の3つの視点を重視しながら企業経営を行うことです。財務情報だけでなく、環境配慮、人権・労働、安全性、企業統治といった“非財務要素”を経営の中心に据え、持続可能な企業価値の向上を目指す経営手法とされています。その環境対応への有効手段の1つとしてサーキュラーエコノミーが位置付けられると考えます。

図2:概念であるサステナビリティとサーキュラーエコノミーの関係|エンジニアリングチェーンマネジメント/モジュラーデザイン研究会[ECM/MDI・PLM]

図2:概念であるサステナビリティとサーキュラーエコノミーの関係


サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミーとは、環境省HPでは以下のように定義されています。 「循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。」 この定義を軸に、経済活動のプロセスとして具体化すると、サーキュラーエコノミーとは、原材料調達~還元において、3R+αの活動促進のため様々なビジネスが発生し新たな経済活動として回っていくものとなると考えます。


図3:サーキュラーエコノミーの概念図|エンジニアリングチェーンマネジメント/モジュラーデザイン研究会[ECM/MDI・PLM]

図3:サーキュラーエコノミーの概念図


図3は、太い紺色のサークルが循環を示す経済活動のプロセスであり、細い青線は、そのサークルを実現するために様々なビジネス/サービスが発生することを示しています。サーキュラーエコノミーとは当然1企業だけで実現できるものではなく、様々な業態・企業が集まり必要なサービス/ビジネスを作って実現するものであり、何をもって完成というゴールは無いものと考えます。


サーキュラーエコノミーとモジュラーデザイン

サーキュラーエコノミーを構成する要素である、3R+アルファ(図3では18R)に対して、その全てではないものの多くの重要な部分で、モジュラーデザインが必要となります。当然ながらモジュラーデザインはあくまでも1つの施策であり、サーキュラーエコノミーという崇高かつ巨大な概念を実現するには、「施策」「規制」「文化」等の様々な領域の取組みが必要です。その前提で、施策の1つであるモジュラーデザインが3R+アルファに対して、具体的にどのような貢献ができるのか、次回コラムでご報告したいと思います。



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