第9回定期公演会を終えて

2023/12/31

  2023年11月1日に行われました一般社団法人 モジュラーデザイン研究会による第9回定期公演会のダイジェスト版として筆者の感想を交えてコラムでご紹介させていただきます。 定期講演会としては実に4年ぶりのリアル開催となり、且つオンライン同時配信というハイブリッド形式での開催となりました。会場はJR品川駅から徒歩10分程のTKP品川カンファレンスセンターANNEXのホール2で開催されました。
 当日はリアルでは60名程度、オンラインでは100名超の方々にご参加いただきました。参加いただいた方には厚く御礼申し上げます。また、Web配信では一部の方々がアクセス不良で視聴できなかったとのご連絡もいただいており、ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。この反省を踏まえ、次回講演会及びウェビナー実施時には、事前設定のお願いや確認用のURL配信などをご連絡できるよう準備を進めてまいります。さて、当日は図1のAgendaで講演しました。

図1:第9回定期講演会Agenda|エンジニアリングチェーンマネジメント/モジュラーデザイン研究会[ECM/MDI・PLM]

図1:第9回定期講演会Agenda

 
   

1.オープニング 「研究会のビジョンと法人化について、モジュラーデザインの目指す姿」

 研究会代表の大塚さんより、研究会のビジョンと法人化について講演させていただきました。当研究会を設立した日野三十四氏が2017年6月に亡くなられたてから、早6年。毎月MD関連のコラムを配信し、2022年にはWeb講演会という形で皆様にモジュラーの必要性をご紹介して参りました。更なるモジュラーデザインの普及に向けた体制強化と公的団体との連携強化に向けて、2023年に一般社団法人 モジュラーデザイン研究会を設立しました。今後とも研究会の活動に賛同・応援いただきますようよろしくお願い申し上げます。

2. 基調講演① 「モジュラーだけが生き残る!」

 IVI理事長ならびに法政大学教授である西岡靖之様より、モジュラーの将来性や重要性に分かりやすくご講演いただきました。流行りのChatGPTも交えながら、資料がとても分かりやすく構成されており、とても参考となりました。「日本がこれまで得意としてきたすり合わせ設計から脱却し、モジュラー設計に切り替え、リーダシップを取ることが改めて必要!」と強いメッセージを頂きました。

3. 基調講演② 「欧州におけるモジュラー化の方向性とモジュラー化を支えるPALMAのご紹介」

 モジュラーマネジメント社のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるFredrik Erbing様とAsia Pacific ABのプレジデントであるThomas Enocsson様より、欧州の動向を含めたPALMAの有効性についてご講演いただきました。ECM/MDで馴染みのある、製品モデルとして顧客要求仕様から製品仕様構成/製品システム構成を介し、設計部品構成との関連性やモジュールテーブル/設計手順書への関連性を管理することがPALMAで実現可能であり、正にモジュラーデザインの考え方がシステム化されたソリューションだと実感しました。講演後の休憩時間では、PALMAの詳細なデモンストレーションを行われ、ハンズオン・デモでは、このソリューションと、製品アーキテクチャと構成管理の可能性に大きな関心が寄せられていました。

4. 研究会の活動状況 「MDアカデミーの目的とカリキュラム案、研究会相談実績/JMN実績」

 まず研究会の鳥毛さんよりMDアカデミーの必要性と構成と実施計画についてご講演させていただきました。これまでアンケートでは「MDが必要なことは理解したが、やることが多すぎて、どこから着手してよいかわからない!」といったご意見が複数届いておりました。そのため、当研究会ではMDの知識体系を整理し、各活動項目のつながりを明らかにすることで、必要な知識と取り組むべき順番を整理しています。アカデミー完成まで非常に難易度は高いですが、2024年4月を目標に教材作成と講師の選定、トライアルを準備してまいります。準備が整いましたら、当研究会のHPやコラムでご紹介させていただきます。

図2:研究会活動状況 講演の様子|エンジニアリングチェーンマネジメント/モジュラーデザイン研究会[ECM/MDI・PLM]

図2:研究会活動状況 講演の様子



 次に、研究会の清水さんより研究会の相談実績について講演させていただきました。ある中小企業様からは個社だけでなく、業界通じてのモジュラー化の相談もいただいており、業界を通じた情報体系化や標準化の必要性、スムーズな連携基盤が課題である事例をご紹介しました。また研究会の渡辺さんよりJMN(Japan Manufacturing Network)の実績紹介も講演させていただき、MD人材の後継者育成を課題とされている企業様の事例をご紹介しました。当研究会ではモジュラーデザインをベースとして、モノづくり全体の課題や方向性を皆様と熱く討議、相談してまいりたいと考えておりますので、ご興味のある方は是非ご参加のほどよろしくお願いいたします。

5. クロージング「ご講評」

ご来賓の方を代表して東京大学でサステナビリティ設計学をご専門とされている梅田靖教授よりご講評をいただきました。梅田先生は日野三十四氏とも生前親交があり、MD活動について熱く、ご賛同のお言葉を頂戴いたしました。またTC323サーキュラーエコノミー日本委員としてご活躍されており、MDとサーキュラーエコノミーの親和性についてもお話いただき、MD活動を世に普及するために今後も意見交換を重ねていければと考えております。

 講演会後の懇親会でも皆様と懇談することが出来、改めてMDの必要性と当研究会へのご期待を実感することが出来ました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございます。当研究会では、引き続きモジュラーデザインの手法や考え方、活動状況などを皆様に共有できるよう、コラム配信やセミナー開催を行ってまいります。今後ともよろしくお願いいたします。



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